保険会社と顧客の両方に利益をもたらす、生命保険の対象商品と市場分割の使用について 第3回

2018年9月25日

本記事は、アメリカアクチュアリー会(SOA)の雑誌The Actuaryに記載されている記事「Bull’s-eye!: Using targeted products and market segmentation in life insurance to benefit both insurer and customer」の翻訳である。この記事は3回に分けての配信予定であり、その第3回である今回は、「THE FUTURE BEYOND SEGMENTATION」の1節について配信する。

 

  • 「市場分割」を超えた未来

究極レベルの「市場分割」は、個々人にカスタマイズされた商品や提案といった「個人の分割」に帰着します。「世界に一つだけの自分のコンバースを作る」といった商品は、現在「多くのカスタマイズできる」という商品特徴が組み込まれていますが、今日の販売においては「個人の分割」がより一般的に見受けられます。ビッグデータの時代になると、市場分割を超えて拡大するデータ分析の動きをすでに多くの企業が見せ始めています。それらの企業はもはや単なる人々の集団を基盤とする市場を対象にしておらず、むしろ個人としての人々を対象にしています。例えば、Amazonは個々の顧客の購入履歴を使用して、将来購入すると考えられる商品をおすすめします。データ分析と言われて思い出す他の例を見ると、Netflixも、個人のレベルで同様の分析を行っており、過去の視聴履歴やその動画の評価に基づいてユーザーが楽しめる映画やショーをおすすめしています。

 

Target(アメリカの大手小売業者)が10代の女の子に赤ちゃんと出産に関する商品のクーポンを送ったことに対して社会的な反発が見られるという、悪い評判として出回ってしまった例があります。女の子の父親は激怒しましたが、のちに高校生の娘が本当に妊娠していたことを知り、謝罪しました。Targetは他の顧客の購買行動を分析し、妊娠していそうな顧客を特定できるであろう購買行動のパターンを個人のレベルで決定することができました。Targetの分析によると、問題となった10代の女の子の購買行動は妊娠が予想される顧客の購買行動と一致していたため、女の子には妊娠した顧客を対象としたクーポンが送られました。

 

「市場分割」することを超えて個々人のマーケティングをしたり、消費者におすすめ情報を送ったりすることは、データの大きさにとても強く依存します。Amazon、Netflix、Targetなどの企業は多くの顧客購買情報があり、豊富なデータがすでに収集されています。一方、生命保険業界が豊富な内部データを得るには年月がかかりますが、同じように分析をするために外部の情報源を利用してデータを補うことができます。

 

市場分割という手法を使うことで、生命保険業界は利用可能な内部データと外部の情報源を活用して、顧客のニーズにより的確に対応することができます。より多くの内部データと外部データが利用できるようになり、そういったデータを使用して保険業界がさらに洗練され続けるにつれて、保険業界は他業界の足跡を辿って、「個人の分割」を提供するようになるでしよう。

 

次回は、「Model Behavior—How a modern modeler can add value and drive effective business decisions」を配信予定である。

 

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